観世能楽堂が移転すること

 東京の観世能楽堂が渋谷の松濤の住宅街の中から銀座の松坂屋跡地ににできるビルの中に移転するらしい。
 能を知らぬ者にその魅力を伝え広めるのは善根功徳である、勤め帰りに能を見られるよう丸ビルに能舞台を作るがよろしい云々と『大東京繁盛記』で高浜虚子が主張していたのを思い出した。
 せっかく銀座のビルの中に移転するんだから高浜虚子の提言を汲んで、新しい観世能楽堂では平日夜の普及公演をたくさんやってほしい。映画1本見るくらいの感覚で見られるような。

大東京繁昌記 山手篇 (平凡社ライブラリー)

大東京繁昌記 山手篇 (平凡社ライブラリー)

↑ 講談社学芸文庫にもおさめられることになった『大東京繁盛記』だが、平凡社ライブラリー版は新聞連載時の挿絵も合わせて掲載されているのが魅力である。