ロウキー上陸
15号台風ロウキーの影響で、朝からときおり風雨が強くなったり弱くなったり。
台風の息づかいが感じられた一日。
ロウキーは14時頃、浜松市付近に上陸。
時速40-50km/hと比較的速い速度で、北東方向に進行を早める。
風雨の止み間を見計らって、近所のスーパーマーケットで食材の買い物。
さすがに買い物客は少ないけれど、店内には仕事が早引けや休みになったらしい普段着のオトーサンたちもちらほら。
今晩はレバニラ炒めにしようかな。豚レバにはしっかりと下味をつけて。
産直コーナーのまるまると太った青唐辛子が14、5本入りの一袋で120円は安い。焼いて食ったらウマそうだ。
アミの佃煮でも添えて晩酌の肴にしよう。これも買う。
台風で学校も早引けになったようで、団地の遊び場では子どもたちがずぶ濡れになって遊んでいる。
ここぞとばかりに日頃の鬱憤晴らしか、キャッキャと大きな声で騒ぎながら暴れ回っている。
子ども力炸裂で楽しそう。
夕暮れが迫りかけた頃から、風雨が弱まることなく激しさを増す。
関東近県の交通機関大混乱の知らせが気象情報で繰り返される。
首都圏では17時〜19時くらいが風雨の峠とのこと。
日が暮れて強風さかん。しかし我が家のあたりでは雨はそれほどでもない。
とはいえ吹きっさらしの高台の公団住宅では、風の入口と出口にあたる南北の窓を適度に開け閉めして、部屋の中を吹き抜ける風の加減の調整に一苦労。クルマやバイクのキャブレター調整ってこんな感じかな?
部屋の中に居ると風が吹き付けるたび、気圧の変動で耳の鼓膜がポーンとなる。
気象情報を流しながら、たまっていた食器を洗う。
そして青唐辛子を焼いて、アミの佃煮を添えて、にごり酒で晩酌。
ところが、甘く見ていた青唐辛子がひどく辛かった。どうりで安かったのか。
辛いものは好きだけど、あまりに厳しすぎる辛さ。汗がだらだら。
これはもう台風どころの騒ぎじゃない。
生醤油に酢をたっぷり加えた酢醤油にして、酸味で辛味の相殺を試みる。一番辛い種の部分は残す。
それでも、汗に鼻水そして涙をたれ流し、しゃっくりまで連発して、激辛焼青唐を完食。
もうこれは、アリストテレスのカタルシス理論の根源に触れる思い。
つまり、カタル涙や鼻水やら汗やらの分泌液を垂れ流すことで、精神が浄化されて快さを覚えるというやつですな。
悲劇とか、それに似たものとしての運動とか、肉体労働とかの魅力の説明として、この理論は当てられるわけであって……云々。
辛いことは辛いけれど、辛さの中にもほろ苦く、ツンとしたいい香り。
残った青唐辛子は、うまいこと料理して食べるとしよう。
薬味に使うか、それとも酢醤油で煮付けるか、酢漬けにしようか、工夫のしどころ。
喉元過ぎれば激辛も、まったくもって懲りてはいない。
いい汗かいた感じだし。むしろさっぱり発散できた感じだし。
辛辣な性(さが)にて好む唐辛子 高浜虚子
21時を過ぎた頃には、風の強さもおさまってくる。
22時過ぎたあたりから、台風の影響はほとんど感じられなる。
しばらくの迷走のあと、大いに暴れつつ、早足で行き過ぎた15号ロウキー。