街は歩けない

 神田珈琲園にて須田一政塾。
 個人写真冊子刊行のためのニセアカシア発行所編集会議。

 四谷三丁目ルーニィ247にて長谷川亜子写真展「街は歩けない」観覧。

 失神とか恍惚を想像させられる写真。誰のものでもない写真と編集手の介在について。
 私とそうでないものとの汀をめぐる興味。ペットとの関係とか、縁側の存在とか。

 広角と中望遠とのパースペクティブの切り返し効果。
 GRデジタルの28ミリ相当の広角レンズで遠近感の強調された、やや前のめりで左右も傾いだ目眩を伴う不安定な画像。
 ロシア製ゾナーコピーレンズ(ジュピター9・85mm / f. 2.0)による、ぞわついたボケ味をまとった平べったい画像。

 作品サイズを大きくすれば見る側に作者をバカっぽく想像させられる。
 反対に(たとえば河原温みたく)作品サイズを小さくすれば見る側が勝手に利口そうに作者を想像する。
 そんな会田誠の言葉をふと思い出して、そのことを在廊中だった作者と語らう。
 これは真面目な話。A1パネル張り13点(14点だったか?)という形態の選択が効果的で良かった。

 長谷川亜子作品に刺激を受けて、写真を撮りながら四谷駅まで歩く。
 これまでよりも寄り気味で、傾いてても意に介さずシャッターを切る。
 写真に撮ったらどんなふうに見えるのか? そんな楽しみを思い出しながら。

 蒸し暑い。歩いているうちに汗だく。
 15号ロウキー(Roke /男性の名前/米国命名)と、16号ソンカー(Sonca /さえずる鳥/ベトナム命名)と、南洋上の二つの台風の影響か。