フランシス・ベーコン展


豊田市美術館・鏡の庭園】

 豊田市美術館で「フランシス・ベーコン展」を観覧。

 絵画がそこに「ある」のではなくて、そこに「いる」感じを味わう。
 ナニモノかがそこで蠢き息づいているような感じ。とくに初期作品にそれが濃厚で強く印象に残った。
 その作品が名作か駄作かを感じ分けるひとつの観点は、こんな具合の存在感の有無、生きて動いている感じの有無かと思う。
 会場を何度も行き来してじっくりと鑑賞する。

 会場をめぐるたびごとに、ベーコン作品に関連して会場で上映されていた土方巽の舞踏「疱瘡譚」の記録映像を上映するモニターの前には人だかりがある。
 否応無しに見入ってしまうこの映像が放つものも、ただならぬ存在感の蠢きである。