コンラッド

 社会は、これまで、思いやりなどからではなく、奇妙な必要に促されて彼らの面倒を見てきた。自分だけの考えをもったり、創意工夫を凝らしたりするのを禁じ、決まりきった日常のルールから逸脱すると、死の厳罰で臨むと脅してきた。機械になるという条件で、彼らは初めて生かされてきたのである。

  ジョウゼフ・コンラッド 「文明の前哨地点」(井上善夫 訳/『コンラッド短編集』ちくま文庫 所収)

 1897年発表の作品

*****

 英国の短編小説が読みたくなって、コンラッドの短編集を買う。