デジャヴ

 昼頃に起きて洗濯と布団干し。
 今日の今日こそ今度こそ原稿に決着をつける。

 腹ごしらえと、気分転換の散歩と、昼下がりの暑さしのぎと、自発的カンヅメを兼ねて、喫茶店を目指す。
 あくまで軽装を心がけ、トートバッグにゲラとノートとカメラを放り込む。
 浮気心を殺すため、書物は持たない。必携の電子辞書だけは別として。

 第一候補にしていた団地内に最近できたカフェは、店の前まで行ってみたところ日曜休業。
 しからずんば第二候補店へその足で向かうべし。
 写真仲間のイノウエさんおすすめの、「デジャヴ」という名の喫茶店

 ほどよく洒落ててほどよくくだけた、多少の長居も許してくれそうなお店。
 遅めのお昼に、特製デジャヴカレーライスと食後にブレンドコーヒーを注文する。

 ショップコーナー、というよりも出窓に並んだアクセサリーやらクリスタルやら衣類やら。
 ご近所の清く正しいおばちゃんたちが、暑さしのぎか長居して、その衣類の品定めをしている。
「ここじゃ見づらいから、そっちのテーブルに持ってこうか。」
「これはここのところがシースルーで透けてるけど、上着をはおるといいよ。こっちは若い人向きだね。」
 お店のお姉さんが親切に案内しては、話が弾んでる。

 この気取る必要のない居心地のよさ。これぞ喫茶店
 まるで名古屋の喫茶店のような。

 ボールペンでノートに原稿を綴りながら、週替わりコーヒー(モカ)を追加で注文。
 2時間ほど長居して、おかげさまで原稿がまとまりました。
 どうもありがとうございます。

 傾いた日ざしの中、団地まで歩いて帰る。
 パソコンで清書して、ようやく脱稿。

 好きな映画。
「デ・ジャ・ヴュ」 (原題:"Jenatsch"・1987年・スイス/フランス・カラー・97分)

 鬼才ダニエル・シュミットの監督作品にしては、おとなしすぎる平凡な出来栄え、なんて悪評を耳にしたこともあったっけ。
 しかし青灰色を基調としたメランコリックな色彩の画面や、めりはりの少ない押さえ気味の演出を、ふと恋しくなる時もある(わりと多い)。

 こんな雰囲気の不思議漫画があったら読んでみたいな。