金色堂異聞
最近、中尊寺金色堂がユネスコ世界遺産になったとか。
そんなニュースが頭の端に滴って、奥州岩手への親しみが蘇る。
そして、澁澤龍彦の短編小説「金色堂異聞」を読み返したくなった。
時代の狭間 中間管理職 語られなかった歴史 皮肉な結末 自己幻視 自他境界線
短編集『唐草物語』を久しぶりにひもとく。
それぞれの短編にそれぞれの下敷きを有する、再話形式短編集。
昔はさっぱりわからなかった本歌取りの妙も、元ネタ知識も増えてきて、楽しく読めるようになった。
ああ、なるほど、そういうことか。
ミニアチュール、縮小された世界、世界の模像。
くり返し奏でられるライトモチーフが、今にしてくっきりと浮かび上がってくる。
これまではよくわからなかったけど、今回おもしろく読んだ話の中に、花山法皇と安倍晴明の話がある。
稀代のアンファン・テリブルと作中で形容されていた花山法皇の足跡を、いつか京都・山科に訪ねてみたいと思う。
- 作者: 澁澤龍彦
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1996/02/01
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (17件) を見る